考える力がつかないのか…

ミニオン投稿 2020/9/2 13:41

浪人 理系 鹿児島県

鹿児島大学工学部志望

国立大志望の浪人生です。青チャートなどの参考書をやっているのですが、僕はまず問題を解いてみて解けそうにないと判断すると、すぐに答えを見てなぜその回答になるのかを確認して解法などを理解したうえである程度答えを暗記し、その後に答えを見ずにその問題をテストします。それでも解けなかった場合はまた解答を見てまたテストしてとできるまでやるようにしています。この方法では、考える力がつかないと言われたのですがこの勉強法についてアドバイスや意見などをお願いします。

回答

けんさん投稿 2020/9/3 16:32

名古屋大学法学部

はじめまして。

結論から申し上げますと、ミニオンさんの勉強法は、半分は正しく、もう半分は誤っているのではないかと考えます。

○「インプット」「アウトプット」について

「インプット」「アウトプット」が重要であることはすべての教科の勉強に共通することです(語彙等の説明は省略させていただきます)。
 例えば、タンスの引き出しを想像してみてください。
・「インプット」は引き出しの中にものをしまうこと、引き出しの数を増やすこと
・「アウトプット」は引き出しの中からものを取り出して使うこと
に対応します。これらを踏まえた上で、お話しさせていただきます。

○正しいと考える点:時間のロスを抑えられる

 「参考書の問題をまずは解いてみる」というのはアウトプットにあたりますね。この段階では自分の頭の中の引き出しから数学に関わる知識(公式など)を取り出してそれを使うことになります。
 しかし、引き出しの数や中身が少ない状態ではアウトプットは難しいでしょう。引き出しの中が空っぽなのに悩み続けてしまうのは時間がもったいないといえます。「解けそうにないと判断して答えを見る」というのは、「目の前の問題をクリアするには、自分の脳内の引き出しでは対応できない」と判断することです。時間を有効に使うという観点ではとても良いご判断だと思います。

○誤っているのではないかと考える点

 数学演習の最大の意義は、「問題を解く過程において、自分の脳内の引き出しから必要なものを『探して』使う力を養うこと」にあると思います。試験本番はほぼ間違いなく初見の問題を解くことになります。そのような問題に対してどれだけアプローチできるかは「引き出しの数・内容量(=インプットで身につく力)」だけでなく、「どこに引き出しがあるかを把握している度合い(=アウトプットで身につく力)」にも懸かってきます。後者の力を伸ばすために数学演習が必要なのです。

 上記の内容に基づけば、「答えを暗記した後にその問題をテストする」ことには問題があるかもしれません。
①答えを暗記すること
 これは暗記の程度にもよりますが、「この問題にはこの引き出しのものが使えるな」というレベルで記憶できていれば十分だと思います。
②暗記した「後」にテストすること
 こちらがより注意すべきことだと思います。「後」というのがどの程度なのかにもよりますが、もし「直後」なのであれば、もったいないと思います。これは「目の前の引き出しに必要なものがあると知っている上で開け閉めしている」状態です。「どこに引き出しがあるかを探す」段階を踏んでおらず、「どこに引き出しがあるかを把握している度合い」は高められません。この勉強法で初見の問題に対応するのは難しいでしょう。

○解決法:「直後の解き直し」を控える
 基本的に、まずは翌日に解き直してみるのが良いかと思われます。前日に解いたときよりも解法の道筋が立てられ、答えをみた直後に解き直すよりも引き出しを探す過程が体験できます。ただ、「翌日」という時間の間隔には個人差があるので、「全く太刀打ちできない」と感じたら、解説を読んだ日中に解き直してみる(ただし直後には解き直さない)、「暗記してしまって、引き出しを探す過程を感じられなかった」と思ったら、2、3日後に解き直すのも手だと思います。

以上です。ご健闘をお祈りしています。

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