英語の解釈について

かつぱんまん投稿 2019/12/16 00:45

高2 文系 大阪府

同志社大学志望

高2でMARCHレベル志望の者です。最近解釈の参考書で基礎解釈100というものをやっていて、その参考書に書いてる内容は理解できるのですが、和訳すると的はずれな訳になってしまいます。この参考書の前は基本はここだという基本的な参考書をしていましたが、やはりまだ基本が身に付いていないということでしょうか?
システム英単語とネクステージと速読英熟語は8割習得済みです。参考ですが、8月の河合塾全統模試は偏差値59 11月進研模試は偏差値63でした。アドバイスよろしくお願いします!

回答

atom投稿 2019/12/22 15:45

大阪大学工学部

【和訳問題に挑戦しよう】
解説付きなので長くなります。

基礎事項は入っていると思うので、自力で文全体の骨格取る練習が足りないと感じました。下の例題の解説しながら、和訳において重要なポイントを示していきます。一度解いてから読み、自分の問題点の診断に使ってください。難しい単語・熟語はありません。

【例題】
The great development of electrical signaling devices and the vast improvements which have taken place during the past century in the means of transportation have reduced to comparative insignificance the time element in communication.

※解説には個人的なやり方も含まれています。

①「キーとなるもの」を丸や四角で囲む
「接続詞」「関係代名詞」「that」その他キーとなる文法表現(so〜that, not only〜but also〜など)を丸や四角で囲みます。
今回の場合は「and」「which」

②「不要なもの」をカッコで囲む
副詞節など、骨格のSVOCとは関係ないものをカッコで囲みます。
今回の場合は「during the past century」「in the means of transportation」「in communication」

③核となるVを探す
SVOCの中で、圧倒的に大事なのはV。ここが分かれば、主語が明確になります。
今回の場合は「have reduce」で、それより前は全部Sと分かります。

④「and」は何と何を繋いでいる?
「andを制する者は英語を制する」と言っても過言ではないほど「and」は重要です。和訳は特に。簡単な単語なので蔑ろにしがちですが、「and」に関して理解出来ていない人が多いです。
「and」「or」などの等位接続詞は、「等位」ですから、繋いでいる2つのものは「対等」で「品詞同一」「類似形」といった特徴があります。
今回の場合は「the great development」と「the vast improvements」なので、その部分に波線を引きます。「類似形」なので読まなくても分かります。さらにその後の「of〜」「which〜」の修飾の仕方もすごく似てると思いませんか?

⑤「which」はなんの代名詞?
色々考えてしまったかもしれませんが、「and」をしっかり理解していれば迷う余地がないです。「the vast improvements」の代名詞です。

⑥「S have reduced to」の後。何が減ったの?
不自然な「the」に違和感を感じてほしいです。
「comparative insignificance」が「the time element」を修飾していると思ったかもしれませんが、それなら「the」は「comparative insignificance」の前につけるべき。
それ以前に「insignificance」が名詞だと分かっていれば、すぐ違和感に気づけるはずです。
和訳が苦手な人の多くは「品詞」が分かっていない人が多いと思います。それが形容詞なのか、副詞なのか、名詞なのか。
「S have reduced to O1 O2」とすれば、「toのイメージは矢印」なので「O1に減った」となるが、O2が余って訳せません。ここで倒置だと気づける。元の形は「S have reduced O2 to O1」で、O2の部分が長かったため、文末に移動したと考えられます。訳は「SはO2をO1に減らしてきた」となります。
O2が長くて倒置が起こったので、「in communication」もO2に含まれると予測できます。自信がなければ文脈的で判断。
また、今回は簡単ですが「signal/ing」「compar/ative」「in/significance」などと単語を分けて意味を取る練習も大事です。

⑦文構造を取れたら、直訳してみる
The great development of electrical signaling devices and the vast improvements which have taken place during the past century in the means of transportation have reduced to comparative insignificance the time element in communication.

【直訳】
電気的な信号を送る装置の大きな発達と、輸送手段の前世紀の間に起こってきた幅広い進歩が、意思疎通における時間要素を比較的重要でないものに減らしてきた。

難しい所は「during the past century」の訳ではないでしょうか。「過去の世紀の間」という風に訳したくなりますが、「century」が単数形であることからこの訳は不適切で、これは「過去一世紀の間」のみを指していることが分かります。ここで詰まったのなら、単複を意識するようにしましょう。
この直訳の時点でほぼ満点もらえますが、ちゃんと意味が通っているかどうか確認します。
「電話やメールなどを送るためのデバイスやその伝達手段が発達したことで、遠くの人とのコミュニケーション取るのに時間がかからなくなった」ということが読み取れます。
また今回は「in communication」は「the time element」のみに修飾させて訳しましたが、文全体に修飾させて、「意思疎通において時間要素を比較的重要でないものに減らしてきた」と訳しても問題ないことが分かります。
まだ日本語的に不自然なポイントがあるので改良していきます。
違和感があるポイントは2つ。無生物主語と「減らしてきた」という訳です。

⑧自然な日本語に
【解答】
電気信号を送る装置の飛躍的な発達と、前世紀に進んできた輸送手段の幅広い進歩によって、意思疎通における時間という要素が比較的重要でなくなってきた。

無生物主語は「〜によって」に変えます。「have reduced O2 to O1」の訳は、「時間の重要性が減ってきた」という意味だと取れるので、上の訳のように書けると思います。

ここからさらに意訳をする人がいますが、意訳するときは日本語を自然にするために最低限するのみで、骨格を大きく変えてはいけません。意訳のやりすぎは完璧に内容が合っていれば満点もらえますが、ちょっとでも勘違いがあればバツになります。適切な意訳の仕方は先程の「have reduced O2 to O1」の訳で示した通りです。

答案用紙は採点者に「私はこの文構造・単語の意味・内容がきちんと分かってますよ!」というアピールする場ですから、それを伝えられるように訳すことを意識して下さい。

この問題を通して、自分の足りない部分を理解できれば幸いです。1つ1つの問題をこのレベルで深く理解するようにして下さい。

長くなりましたが、以上です。
お疲れ様でした。

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