教材と戦略

あい投稿 2024/5/16 07:07

高2 理系 岩手県

京都大学薬学部志望

1ヶ月前に高2になった者です。化学を授業動画などでとりあえず全範囲自力で終わらせたので現在は、理解が甘かった部分の復習・暗記、演習を行っています。聞きたいことがすごく多いので申し訳ないのですが回答していただけると嬉しいです!
まず、今の私の状況ですが

学校・・・偏差値69くらいの公立高校であり、化学基礎の授業が最近始まったばかり。

自学に関して

演習・・・何が合うのか悩みに悩んだ結果、5月に入ってすぐに新標準演習を使い始めた。レイアウト、問題数、解説の詳しさ、難易度とどれも自分に合っていて気に入っている。今日エンタルピーあたりの演習に入った。この問題集に関しては4〜6ヶ月くらいで丁寧に取り組みたいと思っている。高2の秋〜冬ごろから新演習をやり始め(分野は設定する)、高3の春くらいには1周はして夏までに終えたのち有機化学の演習(駿台)で構造決定の分野別対策をしたいと思う。時間があれば記述の対策もしたいと思っている。

暗記に関して・・・理論に関しては電池や酸化還元などの暗記系の復習、有機は高1の時から好きで勝手にやっていたので合成分子化合物の手前まではかなり進んでいる。京大に行った先輩から合成分子化合物の暗記がやばいと聞いたので全力で復習中。通学時間が長いのでその時間で暗記。無機は本当に最近終わったばかりなので福間の科学の別冊を使用し、暗記していきたいと思う。

その他・・・理論に関しては計算が多いので計算分野の核心を掴むための計算分野特化型問題集(ほぼ参考書)を新標準演習と併用して使うことで学習している。

質問
・電池分野・酸化還元反応の暗記のコツ
・有機化学の構造決定の学習法
・無機化学の暗記のコツ(自分的には視覚化が大切だと思ったので資料集を時々みます)
・理論の計算のコツ(溶解度あたりと気液平衡あたり)
・合成分子化合物が複雑で覚えにくい
・各分野の学習比
・最近京大に興味を持ち始めたが、京大の化学はどのような傾向が見られるか

回答

黒澤投稿 2024/5/16 21:08

京都大学工学部

回答させていただきます。ただ、私は受験生時代にサイトで紹介されていた暗記量を減らす方法を使っていたため、その方法を解説するサイトのリンクを貼らせていただくという形にさせていただきます。ご了承ください。

・酸化還元、電池の暗記
 酸化還元については、酸化剤と還元剤にはどんなものがあって、反応でそれらが何になるかは丸暗記する必要があります。(例:濃硫酸→二酸化硫黄)ただ、半反応式を全て覚える必要はなく、元の物質が何になるかさえ知っていれば半反応式を組み立てることができます。私は受験生時代、次のサイトを見てやり方を理解しました。
(https://kimika.net/r5hanhannousiki.html 化学のグルメ-半反応式・酸化還元反応式(作り方・覚え方・問題演習など))
 また、電池についても上のサイトで全て事足ります。既に授業動画で予習されているということなので、事前知識込みで見ていただくと非常に分かりやすいです。

・構造決定の学習法
構造決定はやればやるほど点が伸びますし、できるようになるとパズルみたいで楽しいのでとにかく量をこなしてください。ただし、構造式は問題の指示に従って書くように意識してください。これを習慣づけると理不尽な減点を防げます。
 既に新演習に手を出されているということで、ある程度骨のある練習問題として東北大学の有機をおすすめします。東北大学の第3問は伝統的に構造決定が出題されますが、非常に問題の質が良いです。難易度で見てもちょうど良く大問の中で勾配があるため、基礎知識の定着と思考力の養成にうってつけです。

・無機の暗記
 イオン化傾向列を使うと覚えやすい部分があります。例えば、イオン化列で横並びの亜鉛鉄ニッケルは濃硝酸と反応して不動態を形成するというように、イオン化列で近い位置にあるものは近い性質を持ちます。また、色の暗記では既にされているように資料集を読んで写真で覚えるのがよいです。

・理論の計算
 溶解度については、出した質量が溶液のものなのか、溶質のものなのか、溶媒のものなのかを考えて解いてください。
 例えば、食塩の溶解度が20g/水100gであれば、食塩:水の質量比は1:5ですが、食塩:溶液なら1:6になります。これを混同すると正解できなくなるので気をつけましょう。
 気液平衡については、気体の量を体積でなく物質量で捉えると混乱しにくいです。ヘンリーの法則では標準状態基準の体積を考えることがありますが、分かりにくいので全て物質量で統一してしまいましょう。(物質量に直すとき、分数のままにしておくと多少計算が楽)

・合成高分子の暗記
 そもそも京大には合成高分子は大問としてはほとんど出題歴がありません。しかし、理論の方でイオン交換膜が出題されたりはするので、そこは暗記必須です。ただ、結局共通テストには合成高分子は出題されるので、その対策として繊維やゴムについて覚える必要はあります。
 合成高分子はそれまでの化学よりも更に生活に身近になります。身の回りのものと結びつけて覚えてみましょう。例えば、アラミド繊維は強度が非常に強いため防弾チョッキに使われているといった感じで、物質の種類、性質、使用例を一気に暗記してしまいましょう。
 また、反応機構に触れると、ほぼ例外のないパターンがいくつかあるだけなので無機に比べて楽に覚えられるはずです。

・各分野の学習比、京大化学の傾向
 まず、京大化学は大問4つ(2科目で180分、1課目なら90分)で、大問1は理論と無機の複合か純粋な理論、大問2は純粋な理論、大問3は有機、大問4は高分子(ほとんど天然高分子)が出題されています。これは10年間変わっていません。
 全体を通して、知識を前提に思考力を問われています。記述問題だけでなく、グラフを選択したり、範囲外の内容(マルコフニコフ則やラウールの法則など)を誘導付きで出題してきます。また、数値計算の煩雑さもありますが、物理の問題のように文字のままで計算する問題が多くあり、慣れが必要です。
 京大化学では、まず有機と高分子で得点を稼ぐ必要があります。比較的難易度が低く、そうでなくても誘導が丁寧なことが多いです。有機は構造決定と立体化学、高分子は糖ペプチドアミノ酸が多く出題されます。
 理論は、結晶構造、電離平衡、気体が多く出題され、中でも結晶は出題頻度が高いです。
 無機は全く出題されない年もありますが直近は3年連続で出題されています。対策を怠ることはできません。
 以上を踏まえると、有機>理論>無機の順で重視したほうがいいと考えられます。比率に関してはなんとも言えないですが、高2から化学を勉強されているということで、受験前には全分野完成する(化学で7〜8割が目指せる)と思われます。なので比率というよりは不安な分野を都度穴埋めするぐらいでよいでしょう。

 最後になりますが、暗記分野は演習をこなしていくうちにいずれ覚えていくと思ってください。演習の比重を大きくしていって、最終的に過去問にまで到達できるようにしましょう。健闘を祈ります。

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