教えてください!

mebuki投稿 2023/9/12 03:04

高2 文系 兵庫県

早稲田大学商学部志望

人の生きる目的とはなんだと思いますか?

回答

たけなわ投稿 2023/9/13 06:14

北海道大学法学部

 どうでしょう、私はそんなものないと思っているのですが。どういうわけか子孫を残すという本能的な使命感のみが理不尽に与えられ、サルからヒトへ、そして何万年の時を経て現在まで生命をつないできてしまった存在であると。そうして、今や地球上の生命体を、地球ごと破滅させられるほどの脅威的な兵器まで(しかもそれを自分たちの手に負えないほどたくさん)作ってしまいました。もしすべての生命体を超越する「神」なる存在がいて、彼が世界を創造し、そこで生きる存在を創り出す一環として人間をも創り出したのだとすれば、自分が創った世界を自分が生み出した(ちっぽけな)存在によって破壊されるという皮肉な結末を迎えてしまうことになりますね。自分が創造した世界を破壊させるために(つまり、自分で作ったものを自分で壊すというただの「遊び」の一環として)人間という存在をも生み出したのだと考えれば、これはこれでまた面白そうではありますが。しかし、逆に、その「神」は人間が作り出した観念的存在だと考えたならば、上記のような考えを前提から崩すことになります。その場合は、本当になぜ、何のために人は生まれ、これまで存在し続けてきたのでしょう。

 こう色々と考えを巡らすと、NEWSの加藤シゲアキさんが、エーリッヒ・フロムの『愛するということ』について
「愛に答えはないって話ですよね。愛は問いだっていう話なんです」
と紹介した(https://www.youtube.com/watch?v=72tP1LE4968)ように、人間という存在自体も「問い」なのかもしれないですね。まぁ「人の生きる目的」について、「人」の意味をどう解釈するかによっても考え方も様々に変わってくるのでしょうが。少なくとも、天から与えられた使命とか、そういうものはないのではないかと私は思います。そうすると、吉野弘さんが、自身の詩『I was born』において
「I was bornさ。受身形だよ。正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。自分の意思ではないんだね」
と書いているのは、なるほど上手いことを言っていると感じますね。長田弘さんも『失われた時代-1930年代への旅-』でこの詩に言及し、
「ひとの生はI was bornという受け身にはじまる。すなわち、ひとは偶然に生まれて、ほんとうに死ぬ存在である。こうした生のありようを、わたしたちは正しくうけいれるべきだ。なぜなら、それがわたしたちの歴史だからだ。」
と書いているのは、本書で書かれるように生きること自体が「手仕事」である、つまり、生きること自体がわれわれ人間にとって生きる目的でさえあるということを訴えかけているのだと考えることも、一つの解釈としてはできないではないでしょう。まぁいろいろと書いた挙句、結局のところは、人が生きる目的なんてわかるはずもないということになってしまうのでしょうか。そもそもこれが何のご質問なのか知りませんけれど。

6MrXJtsoOWSlQPMRnwQTKl81XEk2
mBLd8WqR2pOVKp8vWtIyDjP2qA03
N0nKDj1vj2sfsRUDvVre