文章の要約

なな投稿 2019/6/16 22:29

高3 文系 大阪府

大阪体育大学教育学部志望

GWに行われた河合マーク模試の1つ目の文章を
塾の先生から要約してきて。と言われました。
ただ、私は文章の要約をして何になるのか、
どのように次へと繋がっていくのかわかりません。
なんなら、要約の仕方もわからないです。
やる意味をまだ私は感じていないです。

回答

こうしん投稿 2019/6/17 02:49

京都大学理学部

こんばんは!
こうしんです!

文章の要約について一通り説明しますね。僕の観点ですが、モチベUPにつながると嬉しいです!
・文章要約の意味とは
・文章要約の方法
について説明します!

・文章要約の意味とは

単純に、文章を要約することができる、ということは文章を理解しているということと同義です。なぜなら、文章を要約するとは、「文章を通して作者が伝えたい情報を抽出、または探し出して簡潔な文章にまとめる」作業のことを言います。
なので、文章を要約の練習が今のうちにできていれば、様々な情報を素早く読み取り素早く簡潔な情報にまとめるといった、日常的にも有効なスキルの育成になります。
現在は情報社会ですので、要約が上手くできると、多くの場面で役に立つでしょう。

また他の教科にも応用できます。特に現代文には非常に有効です。要約には文章の構造を素早く読み取る技術が必要なので、その技術を要約で体得してしまえば現代文の構造把握の力になること間違いありません。
さらには記述問題にも役に立ちます。先走った説明になりますが、上記の要約を達成するには「構造の素早い把握と、読み取った情報構造の素早い構造化(文章の構成)」が鍵になります。この後者のスキルが記述問題に生かされます。記述問題は、「分かりやすく正確に」が求められるので、構造化ができればかなり大きな武器になること間違い無いです。

とこのように、「要約」自体に意味があるのではなく、要約のスキル育成に伴う副次的なスキル育成が大きな意味となって、今後の将来に生かされます。

ところが、当たり前ですがこのスキル、非常に難しいです。当たり前です。「構造の把握」と「構造化」というレベルの高い2つの技術を一辺に使うわけですから。
なので、方法論を学ばないまま「要約してきて」と言われたのであれば、その絶望さ加減、心中お察し致します。
後述する方法論が質問者様の参考になれば幸いです。

・文章要約の方法

前述した通り、文章要約は2つのスキル「情報構造の読み取り」、「構造化」のスキルで構成されています。
現代文の要約にも対応できるよう、一つずつ一般的な説明をした後、英語の要約にも触れます。長くなりますが見てもらえると幸いです。

「情報構造の読み取り」
情報構造というのは、一言で言えば文脈です。話の流れです。つまり話がどう展開していくかを把握することがこのスキルの目標です。
ではどう把握するのか?
→文章の構成の基本を学び、文章の構成が何に当てはまるかを考える。ですね。
文章構成の基本とは、「具体抽象」、「因果関係」といった論理の流れを含む話者の技法を、「①なんの目的なのために」、「②どういう情報を含むのか」という点で把握していることです。(各点①②で説明ます)
一つずつ説明していきましょう。

・抽象→具体
①抽象部分の細かい説明のために具体例で説明する形。
②抽象部分のみが大事な情報です。

・譲歩→逆説→主張
①筆者への対立意見を譲歩することによって潰し、自分の意見を強調するのが目的。
②伝えたいことはあくまで主張なので、主張部分のみが大事な情報です。

・対比
①これも対立命題を出すことで、自身の意見を際立たせているのが目的。ただし、自分の意見の説明の中で対比を用いてる場合もあるので注意。
例)主張「科学者と哲学者はどちらも必要」
→どっちも説明する。
②①の前者では、意見だけが重要な情報だが、後者(例の方)は対比関係になっているどちらの情報も重要で、「対比関係」にあること自体重要。

・追加、列挙
①何個かある事例をわかりやすく並べることが目的。
②全部大事。

・因果関係
①因果関係にあることを示すのが目的。(そのまま)
②どちらも大事。ただし因と果と、どっちがどっちなのか把握することが重要。

ですね。これらを把握していきましょう。

「構造化」
構造化は、上で言った文脈の中で、重要なものだけを整理することです。整理する、というのは、論理の再構成、つまり因果関係、対比、列挙を全てわかりやすく構成することです。
これには、日本語で書く場合、接続詞を使うと非常にわかりやすくなります。
例えば、「つまり」を使うと「内容の言い換え」がくるのだということが分かりますし、「それに対して」を使うと、「内容の対比」がくることを意味します。

以下、少しですが、その接続詞を上げていくので参考にしてください。
「言い換え」なら、つまり、言い換えれば、要するに、まとめると。
「対比」なら、一方で、それに対して。
「列挙」なら、第一に、まず、または。
ですね。

では英語の要約について言及していきます。
具体的には「情報構造の読み取り」の英語版の説明を挙げます。
「構造化」については要約のほとんどが日本語なので、上の説明で間に合うので大丈夫だと思います。
英語の「情報構造の読み取り」にはディスコースマーカーを目印にすると分かりやすいです。それも挙げておいたので参考にしてください。

・抽象→具体
もっとも典型的なパターンです。まず抽象的なことをいった後に、具体例などを用いてその抽象的なことを説明していきます。筆者の主張を表す展開パターン2通りのうちの一つです。
例えば、「人間は多様的な動物である。例えば、科学的な物事を深く追求する人もいれば、文学を深く追求する人もいる。こうした考え方に人それぞれ異なっている点でも、その多様性が伺える。」といった文章があれば、一文目の「多様的」を二文目以降で説明していますね。
では、それを表すディスコースマーカーは、example, such as, instanceといった「例えば」を表す言葉ですね。

・譲歩→逆説→主張
コレは日本語の文章でもよく見ますね。「もちろん、君の考え方もある意味では正しい。だが、私の考えは〜だ。」といった文章を、一般化したものです。これは、英語の文章でも非常によく見られ、上のパターンと合わせて筆者の主張を表す展開パターンの2つのうち一つです。
ディスコースマーカーは、譲歩、逆説、主張、それぞれに存在します。
譲歩のマーカーは、though, even if, nevertheless, despite, of courseなどです。
逆接のマーカーは、but, yet, however, still, insteadなどです。
主張のマーカーは、should, must, had better, I think, It is importantなどです。

・対比、言い換え
英語の文章では非常によく見る展開です。なぜなら英語圏では日本語よりも対比を意識しており、文章の主題にしていることが多いです。例えば、「科学と哲学」の対比は京大系の文章でよく見られて有名ですね。
また、対比、言い換えは見つけると大きい利点があります。それは文章の展開が非常に予測しやすくなるという点です。AとBの対比であれば、Aの説明の後にはBの説明が来ると予測できるからです!
よく見られる展開パターンかつ利点が多い「対比、言い換え」は特に注意(意識)して探してください。
ディスコースマーカーは、対比、言い換えに分けて列挙していきます。
対比のマーカーは、while, whereas, on the other hand, by contrast, differentなどですね。
言い換えのマーカーは、In other wordsとコロン、セミコロンなどですね。

・追加、列挙
追加列挙は、同族の単語たちを並列して挙げていくことです。これに関しては、日本語の文章でもよく見ますし作文でも使いますよね。
例えば、「第一に〜」とあれば、「第二」が必ずある、「また」がくれば、同じような内容の文章が来ると予想できますね。
追加、列挙のマーカーは、上の日本語の具体例に対応したものばかりです。なのでここでは軽く挙げますね。まず「第一に」等を表す、firet, in the first place、「また」を表すalso, besides, moreover等ですね。

・因果関係
最後の展開パターンです。対比、抽象→具体に続き大事な展開です。
日本語では、「だから」「そうなると」に対応します。あまり意識はしませんが、英語の長文という読むだけで苦労する文章では、意識すると文章がつかみやすいです。
ではマーカーを紹介していきます。因果関係は、次に「理由、原因」が来るものと、「結果、結論」が来るのと2通りのパターンがあります。
前者は、because, since, result from, on account ofなどですね。
後者は、so, therefor, thus, hence, then, cause, result inなどですね。

説明は以上です。お疲れ様でした!
要約は大変ですがリターンが大きいです。頑張ってください!

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