公式の成り立ちを知っても、問題が解けない

鈴木投稿 2024/3/25 04:43

高2 理系 愛知県

大阪大学工学部志望

学校の授業や、参考書で公式の成り立ちや、考え方を習っても問題が全然解けません。
テストも全然点数が取れず悩んでいます。
物理基礎は、出来たのでなぜ出来ないのかが分かりません。どのように勉強すればよいか、又考え方などありましたら、是非ご教授をお願いします。

回答

カズ投稿 2024/3/26 09:57

東北大学工学部

 ご相談の文章から推測できる原因としては二つ考えられます。ぜひこれを参考にご自身の勉強法を見直してみてください。

 一つ目はそもそも物理法則や原理などを十分に体得しきれていないことです。たとえそれらを授業や参考書などで理解したとしてもそれはただ「説明を理解しただけ」で、体得できていない可能性があります。そのため、まずは教科書に載っている物理法則や原理を何も見ない状態で他人に説明できるくらいの状態になっているか確認してください。
 例えば
 ・力学的エネルギー保存則とは?
 ・保存力とは?
 ・仕事とエネルギーの関係は?
 ・動摩擦力は保存力ですか?それはなぜですか?

などを何も見ない状態で説明できるようにする必要があります。特に鈴木さんの志望している阪大ででは、それらの基礎が抜けていると命取りになります。
 ただし、電磁気や原子分野に特に多いように思われますが、高校物理の知識だけでは原理や法則の体得が難しいことがあります。その場合は無理に式の導出などをする必要はなく、式とその式の意味を体得できていれれば十分ですが、それらは大抵教科書にも式の導出などは記載されていないことが多いので、とりあえず難しいことは考えず教科書の内容を他人に説明できるくらいに理解できているかを確認し、できていない場合はそこからやり直すことをお勧めします。

 二つ目は、上記のことはできているがそれらの使い方を理解できていないことです。
 入試物理で求められているのは物理法則や原理の理解だけでなくそれらを使って世の中の様々な現象を論理的に説明する力です。そのため、原理や法則を理解しただけでは問題が解けないのも当然の話です。したがって、原理や法則の体得ができているのであれば、それらの使い方がわかっていないのかもしれません。そこで必要なのが問題演習です。しかし、問題演習といってもただ問題を解けばいいわけではありません。初めは「良問の風」などの典型問題を多く載せた問題集をお勧めしますが、基本レベルの問題集で原理や法則の基本的な使い方を学ぶ必要があります。最初はあまり解けないかもしれませんが問題ありません。大切なのはそのあとです。解説をしっかり読み、なぜその原理や法則を使うのか考えてください。例えば、

 ・なぜこの問題では運動方程式ではなく力学的エネルギー保存則を使ったのだろうか
 →運動方程式を用いて解く場合には質点の位置の時間変化の情報が必要だけど運動を始めた時と終えた瞬間についての情報しかない
 →力学的エネルギー保存則が成り立つ条件では最初と最後の情報さえあれば解けるからこの解法になったのか!

といったように復習することが必要です。もちろん、最後の文章にある「力学的エネルギー保存則が成り立つ条件」というのは教科書の内容を理解できていれば説明できると思いますし、できなければ教科書に戻って該当分野の復習をする必要があります。
 一つ注意してほしいのは、教科書の内容の体得も、問題演習を通した基本的な解法の体得も、「教科書・問題集を〇〇周すればよい」というのはやめるべきです。極端なことを言えば、一周しただけですべて身についてしまえば復習の時以外に解く必要はありませんし、五周しても身についていないのであれば該当部分を中心に六周する必要があります。

 どちらかに当てはまっていないか確認してみてください。
 参考までに、次のステップについても少し述べておきたいと思います。
 「名門の森」や「重要問題集」、「阪大の過去問(青本をお勧めします)」などを使ってより複雑な問題に対する原理・法則の使い方を身に着けてください。ただし、過去問はこれらに加えて問題の傾向や難易度の分析も忘れずに行ってください。

 浪人中に実際にこの勉強法を実践したからこそ、とても大変な要求であることは誰よりもわかっているつもりですが、少しでも参考になると思っていただければ嬉しいです。長文になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。受験勉強頑張ってください!応援しています!

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