講義系の現代文参考書

やまこ投稿 2023/2/21 21:08

undefined 理系 北海道

北海道大学理学部志望

どうも春から高校2年生の理系女子です。
1月進研模試で現代文を最低点を取りました。理系で1年生だからまだ早いと思われるかもしれませんが、現代文をのばしたいです。先生方と相談したところ、講義系の参考書と共テの過去問を買うことになりました。共テの過去問は兄から河合塾の2023年の予想問題集があります。
前置きが長くなりましたが、講義系の参考書のオススメはありますか?先生に出口さんの実況中継をオススメされましたが、書店に行って半日立ち読みしてくださいと言われました。ごもっともなんです。でも、田舎に住んでいるので今すぐには行けず困っています。オススメや使っていた参考書など教えてください。

回答

たけなわ投稿 2023/2/21 23:16

北海道大学法学部

 講義系で言うと、旺文社の『現代文標準問題精講』がおすすめです。私が受験生時代に使った参考書の中で、最も好きな参考書です。著者である神田邦彦先生は、開成高校で長年教鞭を取っておられる傍ら、「榊邦彦」として作家活動にも邁進していらっしゃる大ベテランです。
 8章構成(1〜7章が評論・8章が小説)で、各章に5個の長文(本書では素材文と呼ばれています)の計40個の素材文があり、各素材文にだいたい3〜5個の問題が付されています。素材文はすべて過去の大学入試で出されたもので、問題は実際に入試問題として出されたものと著者オリジナルのものが混在します。その後は「素材文の読みほどき」と題して文章の読み方や解答の作り方について、「素材文の噛み砕き」と題して素材文の内容をよりよく理解するための関連知識等について解説されています。なので、文章の読み方だけでなく、幅広い知識も勉強できます。「せっかく勉強するなら入試で点を取るためだけに終わらせず、幅広い教養も身に付けたい!」と言う方に適していると思います。
 ただ、実際に使っていた上で感じた点について一つ挙げるとすれば、「素材文の読みほどき」と「素材文の噛み砕き」での解説が詳しい代わりに、別冊の解答解説に書かれている各問題に対する解説が非常に簡潔なので、一つ一つの問題における解答に至るまでに辿るべき具体的な思考プロセスが分かりにくいというきらいがあります。なので、解答の作り方に関しては、それ用に別の参考書や問題集など(例えば『現代文基礎問題精講』とか)で補完する必要が、もしかしたらあるかもしれません。
 メインの内容もさることながら、何より「はじめに」の内容が素晴らしい。国語科目の学修の眼目である「考える力」の涵養の基本となることが書かれています。以下、一部抜粋すると、「僕たちの周りは、決まりきった文脈だらけだ。例えば『常識』とか、『伝統』とか、『同調圧力(周囲がそうだと、自分もそのように考えて、行動しなければならないと思うような無言の重圧感)』とか、いずれも、ときに僕たちの思考を決定的に縛ってしまう『周囲の文脈』である。その呪縛から、離れることは出来るか。もしも離れる可能性を秘めた小さな矢があるとしたら、それは・・・・・・」という感じです。
 まぁ詳しくは、実際に書店に行って手に取ってみてください。なんと言っても、参考書選びにはやはりそれが一番です。その際には、まず「はじめに」と「本書の使い方」を読んでみて、それから「素材文の読みほどき」と「素材文の噛み砕き」を自由に読んでみたりしてください。あくまで私のおすすめなので、最終的には相談者様ご自身で判断していただく必要があります。ただ、学校の先生方が出口先生の実況中継を勧めてくださったのなら、そちらを選んで間違いはないと思いますがね。

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